どうも、F.TOMOCHIKAです。
年の瀬は、ゼミの大掃除で大量のパスツールピペットを洗いまくってます。
(僕が育てた牛さんは出荷されていきました。出荷というお別れはありますが、生産動物という点では、それは一つのゴールだと思っています。)
(*耳標番号は塗りつぶしてます。)
以前の記事の続きです。【家で出来る一般的身体検査(その1)】
【家で出来る一般的身体検査(その1)】では、「視診」・「嗅診」・「触診」が一般検査として大事であるという旨を説明させて頂きました。
一般的な身体検査には、
・姿勢と行動の観察
・栄養状態の評価
・体温の測定
・脈拍数の計測
・呼吸数の計測
があります。
・姿勢と行動の観察 や ・栄養状態の評価 等が、特に「視診」・「嗅診」・「触診」と繋がりが強い話ですね。
以上のものから得られた情報から考えられる疾患をある程度絞り込んで、
その後に、
「呼吸器疾患」なのか??
「循環器疾患」なのか??
「消化器疾患」なのか??
といった個々の体系にそって、特殊検査(血液検査やエコーやetc.)でさらに病気を絞り込んでいきます。
この手順こそ、現在、僕自身がおかれているゼミの活動の一部であり、将来的には、
「内科的疾患の診断の基本」
だと思っています。
それでは、本題に入らせて頂きます。
ワンちゃん・にゃんこに関して詳しく書きたい所ですが、
すいません、僕自身が、今、牛の世界にどっぷりで牛寄りのお話が多くなると思いますが、
ただ、牛さんもわんちゃん・にゃんこもほぼ一般的な身体検査としては変わりはないと思ってます。
今回は、「・姿勢と行動の観察」から 考察していきたいと思います。
まず、普段からご家族の様子を知っていただいているというのも前提条件ではあります。
その条件の中で、普段と違う姿勢や行動はその子のメッセージです。
例えば、
「姿勢」
背中を曲げて腹部を緊張させる様な姿勢をしていれば、それはお腹が痛い。(腹膜炎等)
(人間と変わりませんね)
この、背中を曲げる姿勢の事を、前弯(ぜんわん)姿勢といいます。
(https://www.torii-ac.com/topics/topics_200412.html から引用)
この、前弯(ぜんわん)姿勢ですが、牛の疾病としては、創傷性第2胃炎のときによく観られ、
この姿勢にプラスして、前肢を広げて立つような姿勢をしていれば末期重度肺炎の時等に観た経験があります。
(この仔は、末期の肺炎で提供として来た仔ですが、助ける事は出来ませんでしたが、少しでも楽な状態で過ごしてあげれるよう努力をした初めての仔で、思い出が深いです。)
(*耳標番号は塗りつぶしてます。)
この写真の仔ですが、僕はまず、診察する場合、まずは近くでは診ません。
全体像が見えるように、3歩4歩ほど引きます。
皆さんは、この仔を診てどう思いますか??
僕は、まず、姿勢がおかしい、前弯(ぜんわん)姿勢であり、前肢が開いている。頭が下がっている。
また、被毛がゴワゴワしている(被毛粗剛) 前肢・後肢の被毛が汚れている
そして、痩せている。
つまりこれこそ、
「視診」
といえます。
「視診」の例を他にもあげていこうと思いますが、
例えば、
異常姿勢としては、尻尾をあげている状態やトイレに何度も行く行動をとる事が続いている等。
これは、直腸や泌尿器系の問題。
他にも、異常行動を示す場合も。
「興奮」している状態ではないですか??
刺激に対する反応性の亢進。
また、その逆もしかり。
感覚と反応性が低下していませんか??
「沈鬱」な状態はまた、栄養状態が異常であったり、ホルモン異常等も考えれます。
立ったり座ったりを繰り返したりしてませんか??
それは、急性の疼痛性の腹膜炎かもしれません。
ご家族である動物たちは、僕らに喋りかける事はしてくれません。
彼らは、自分自身の行動から僕たちにメッセージを送ってくれます。
そのメッセージをは早い段階で、受け取り、
早い段階で対処をする事こそ、飼い主である私達の義務だと思っております。
是非とも、普段からご家族の行動をしっかりと視てあげてください。
次回の記事は、「栄養状態の評価」に関して書こうと思います。